エイム練習の基礎
エイムのやり方は人それぞれ異なります。
考え方や感覚、姿勢や設定に加えて
ジャイロがあるスプラトゥーンではさらに千差万別といえるほどで
まったく同じ方法論でエイムやエイム練習がおこなわれてるということは稀だと言えるでしょう。
その中である程度は全般的に通用し意義があると思える理屈が
「エイムを練習するには複数の考え方やイメージを持ったほうがいい」です。
一つの基準や方法論だけで練習するよりも
複数の基準や方法論による異なるアプローチがあれば
エイムはもちろん、それぞれの方法論も相互的に補正、補い合いよりよく正すことができます。
基礎要素の分解
敵に弾を命中させるまでのエイムには三段階あります。
「計画」「大まかな照準移動」「細かい照準補正」です。
計画
どこに照準をあわせるか計画する段階です。
(この記事ではエイム練習の技術のみを扱うので
敵がでてくる場所を予測し照準をあらかじめ置いておく
置きエイムなど、先読みと情報把握が必要な要素は扱いません)
現実世界の弾丸は秒速200~800mと音速をこえた速さで飛びますが
スプラトゥーンのシューターのインクの弾は初速で秒速20~40m程度です。
1フレーム(1/60秒)あたりでは0.3~0.6m程度しか進まないため
中長射程のブキや弾速が遅いブキの場合、
着弾するまでの数フレームに相手がどう動くかまで計算する必要があります。
いわゆる偏差射撃です。
偏差射撃には二通りのイメージの作り方があります。
静止画的イメージと動画的イメージです。
静止画的イメージによる目標地点決定
静止画的イメージはある瞬間を静止画のように認識し、
目標に対して一定距離ずらした位置に撃つべき点を脳内で描写します。
ブキや距離や相手の移動速度ごとにどれくらいずらせばよいかは異なりますが
事前に「この距離でイカになって移動する相手には照準1個分ほどずらせばいい」など把握しておけば
負担なく素早く照準を合わせるべき点を想定することができます。
欠点は静止画と認識し目的地を決定する瞬間と照準移動、
そして射撃までに時間差があるため、
3つの段階でそれぞれタイミングやリズムがずれる可能性があることです。
目的地決定段階でずれる
大まかな移動段階でずれる
射出段階でずれる
動画的イメージによる目標地点決定
動画的イメージは目的も弾も動くものとして認識し
交差までの軌道を頭の中にイメージをつくりシミュレーションします。
目標の正面に当てる通常の想定だけでなく
相手の側面に当てようという気持ちで撃つ疑似的なイメージを混ぜると
シミュレーションが立体的かつ空間的なものになって特に低弾速のブキで当てやすくなります
(実現はほぼ不可能だが横を通過する弾に相手が側面からぶつかってくるように撃つイメージ)
全てを動画的イメージでエイムできると理想ではありますが
いちいちシミュレーションする負担が大きいという欠点があるため、
静止画的イメージをメインとして狙うポイントを想定し
タイミングを補正するのに動画的イメージを使う組み合わせが
個人的には現実的ではないかと考えています。
大まかな照準移動
大まかな照準移動のコツのひとつは目的地点に視線を置く気持ちを持つことです。
中央からずらした視点がカメラ移動とともに中央に戻るまでがエイムと言い換えることができ
徐々に視線を戻す段階で照準の移動速度や距離を目で感じてコントロールしやすくなります。
照準コントロールのイメージ
照準をコントロールするにあたって二通りのイメージを用いることができます。
一つはチャージャーのように射線をイメージして動かす方法です。
14式竹筒銃を使ってエイム練習し、その感覚を応用することができます。
線の先端を日本刀の切っ先のように意識し殺意を向けるイメージもあるとぶれにくくなります。
また射線を無限にのばしその先をみるような遠くを見るイメージもおなじくぶれを低減する効果があります。
もうひとつはカメラとして画面全体の面のイメージでエイムする方法です。
立体的にエイムするイメージをつくることができ、
射線のイメージが崩れた時に補正・補助するのに役立ちます。
またカメラに1m単位の補助線を脳内で描写し、
その目盛りどおりに自分は照準を動かせるんだというイメージがあると照準移動が安定します。
細かい照準補正
移動中の敵を狙う場合、大まかな照準移動の結果は
照準が相手を追い越した状態になるか、追い付いてない状態になるかの二通りになりがちです。
照準が目標を追い越していればあとは射撃タイミングをあわせるだけでいいので難易度が下がります。
できるだけ前の段階で追い越した状態に照準を持っていけていると楽です。
微調整段階で再び目標地点をみて狙いなおす気持ちがあると調整が正確になります。
できれば2回、可能ならば瞬間的に3回でも4回でも見て狙う気持ちを発動させると
エイム練習として狙いも狙い方も補正されやすいのではないかと考えています。
練習としてはどう弾が飛んで行ったか、外れたならばどう外れたかを見るのも重要です。
照準を置くべき場所の想定を間違った計画ミスなのか
照準の移動がうまくできなかった操作ミスなのか
照準は目標を追い越すことができたのかできなかったのか
移動はうまくできてたのにタイミングがあわなかったタイミングミスなのか
一射ごとに分類できることが望ましいと言えます。
実践エイム練習
遠距離ブキ用の初弾をあてることを重視したエイム練習を記載します。
近~中距離ブキだとイカ移動から移動しながらエイムをあわせ続けるのが重要で
偏差射撃もあまり要求されないため、直接的な練習にはならないかもしれませんが、
ひとつの間接的な練習法としては使えるのではと思います。
エイム速度の限界の確認
開始地点の後ろにある三角コーンを部屋の角にそれぞれ1個ずつ配置し、
それを交互に可能な限り素早く撃ちます。
速度の上限とリズムを確認するのが目的なので
あたったかどうかは重視せず限界まで早く照準を動かします。
#Splatoon2 エイム練習1
— あみにし (@aminisi) 2017年12月5日
ひざごと動かしてるので速度重視で動きを慣らすウォーミングアップ pic.twitter.com/AOT3092KL1
照準の動きにひっかかりを感じるなら何が原因なのか検討します。
また、撃たずに照準移動だけで試してみるのも照準の動きの確認に集中できて有用です。
壁との距離を近づけるほど角度がきつくなって難易度があがります。
動くマトを撃ち抜く
竹、またはボトルカイザーで動く3つのマトを順番に撃ち全部破壊することを目標にします
最初はマトが回復するぎりぎりまで時間を使い、当てることを重視してもいいですが、
慣れてきたらできるだけ三角コーンを交互に撃っていた時のリズムに近づけられるよう速度を重視していきます。
まずは射線が表示される竹で慣らすのがオススメで照準の移動を把握し
前述の線のエイムのイメージ形成もしやすくなります。
インク消費があるので台の上ぎりぎりが立ち位置としてオススメです。
#Splatoon2 #スプラトゥーン2 #NintendoSwitch ウォーミングアップ中 pic.twitter.com/PO2z8z01P1
— あみにし (@aminisi) 2018年1月17日
ボトルカイザーは射線が表示されず弾速も遅いのでより実践的になります。
竹の線のエイムのイメージを残しつつ、
面のエイムによる補正も試すことができます。
一発ずつ撃つ場合はほぼインクを消費しないのと射程がぎりぎりなので金網上の中央に立つのがオススメです。
#Splatoon2 珍しく2連続成功 pic.twitter.com/FzwQJz4G6v
— あみにし (@aminisi) 2018年3月20日
難点はマトのばらけ具合、あるいは折り返しの停止タイミングで難易度がばらつくことです
感度
感度を調整するにあたって意識すべき点は
「射線を固定したいときにブレないこと」
「照準移動の時に滑って制御不能にならないこと」の二つで、
二点を満たしつつ、できるだけ素早く動かせる感度が望ましいということになります。
ざっとした調査で信ぴょう性は低いと考えていただきたいのですが
ジャイロの感度は-5の状態で現実の旋回角度とゲーム内の旋回角度が一致します。
感度'+5では現実の旋回角度(感度-5)のだいたい3倍、ゲーム内では旋回します
つまり、感度-5の状態では前方180度をカバーするのにコントローラーを180度回転させないといけませんが
感度'+5の状態では60度ほど動かすだけで前方180度がカバーできるということです
自分がコントローラーをどの程度動かすことができて、
ジャイロだけで前方のどらくらいの角度がカバーできるのが望ましいのか考えて感度を設定するのもありでしょう。
姿勢と物理的な制約
ジャイロエイムは物理的な姿勢に強く影響されます。
自分がどういう方法でどのレベルでコントローラーを固定し、
動かすにあたって物理的にひっかかる角度があるかどうか把握することが重要です。
可能であればエイムのために姿勢やテレビの配置を一から見直すというのも有効な手段です。
短射程ほど照準が低く、長射程ほど照準の位置が高くなるので
ブキごとにテレビの高さの位置に拘って目線に対して照準がどこにくるのがベストなのかも拘っていいかもしれません。
細かいポイントとしてジャイロには旋回と横移動の二種類があることも抑えておくとよいかもしれません。
旋回にたいして横移動による旋回速度は緩やかです。
この二つを無意識に混ぜてしまってることでエイムがずれているパターンがありえますし
大まかには旋回で、細かい調整は横移動でというエイム手法も実現可能なのかもしれません。
その他、意識してみるとよいかもしれないこと(箇条書き)
エイム練習のためのエイム練習にならないように、
適度に実戦をまぜて調整と練習する
できるだけ実戦に近い感覚を持ち込んでやる
毎度アドリブ感覚で撃ちぬいて喜ぶのではなく、
当たり前に機械のように淡々と撃ちぬけるようにする
いつものように、という感覚でエイムできるようにしていく。
当たり外れに一喜一憂せず雑念なくやる
マトのどこかにあたればいいという意識ではなく
目標として定めた極小の点をぶれずに撃ちぬけるようにする
見るのも大事だが、たまには見ない気持ちで
頭の中のシミュレーション(動画的イメージ)だけでエイムしてみる
自分の頭の中に状況がコピーし再現できてるか確認する
まとめ
この記事はエイムの基礎ではなくエイム練習の基礎を筆者なりに解説したものです。
実戦でのエイムは瞬間の判断の連続なため、
余計な思考などを挟む余地が少なく、結局は慣れてたやり方をすることになるでしょう。
しかし、エイム練習なら思考し試行錯誤しいろんな方法論を試すことができます。
冒頭に書いた通り、エイムのやり方は千差万別なので
この記事の全ての理屈が全ての人にとって益になるということはないでしょうが、
取捨選択して「この考え方やイメージだけは補助として使えそう」、
あるいは「使えなくても参考になるかな」程度に役立てていただければ幸いです。